COLUMN お花の読み物
2021/11/11
「水替え」と「水切り」で美しさをキープする
切り花を長持ちさせる方法
生花は花瓶などに活けて愛でるものですが、時間が経つとどうしても萎れてくるものです。でも、せっかく飾るなら、できるだけ長持ちさせたいですよね。
切り花の美しさを長く楽しむためには、ちょっとした工夫を生活に取り入れることが大切です。
そこで、できるだけ長く美しい状態を保つために、切り花を飾る際にぜひ行いたい“長持ちさせるコツ”をご紹介いたします。
そもそも、長持ちしないのはなぜ?
通常、切り花の寿命は季節や環境によっても異なり、春や秋の穏やかな気候の時が約1週間、暑い夏は4〜5日、冬になると約2週間もつと言われています。
おうちで飾っているお花はどのくらいもちますか?
一般的な長さと同じくらい、しっかりともっているでしょうか?
お花は気温や湿度、風など様々な要因に影響を受けて萎れてしまいますが、なかでも一番大きな原因となるのが水分不足です。
花瓶にたっぷり水を入れているから水分不足になるはずがない、と思うかもしれませんが、実は茎の切り口から空気が入って中で詰まっていたり、花瓶の水にバクテリアなどの雑菌が繁殖して菌が詰まってしまったりと、様々な要因から水分不足に陥ってしまいます。
しっかりと水分を吸える状態に整えてあげることこそ、切り花をより長もちさせる基本的なポイントです。
飾る前の一手間が大切!
お花のすみずみにまで水分や栄養分を行き渡らせるために、ぜひ行いたいのが「水揚げ」の一手間。
ほんの少し手入れを加えるだけで、お花がしっかりと水を吸えるようになり、もちが驚くほど変わるんです。いくつか方法があるので、ぜひ試してみてください!
● 水の中で斜めに切る
買ってきた切り花は、飾る前にバケツの水の中で茎を斜めに切ってください。水の中で、茎の中に空気が入るのを防ぎ、さらに切り口が乾燥するのも防ぐことができます。切断する時は、切れ味の鋭いハサミを使ってスパッと切るようにしましょう。キレイに切断すると、水を吸い上げやすくなり、お花が元気な状態を保つことができます。茎が硬いものを切る際は、手元に気をつけてくださいね。
● トンカチなどで叩く
枝ものや茎が硬いものは、トンカチなどで枝・茎の先端約5cmほどを叩いて繊維を潰しましょう。繊維をほぐすような感覚で行うことで、水を吸い上げやすくなり、長持ちするようになります。
● 切り口を燃やす
茎の先端約5cmを、黒く炭化するまで燃やす方法です。しっかりと燃やすことで茎の中に入っていた空気を排出させ、さらに、吸水がよくなる作用があります。
厳密に行うならば、花の種類によって水揚げの方法も変えるべきなのですが、一般的なご家庭であれば水につけて茎を切断する「水切り」を行えば十分。
難しく考える必要はありません。飾る前に「水の中で茎を斜めに切るだけ」。
ただし、萎れかけた花に「水切り」などを行ってもあまり効果はありません。
購入したり、いただいたりした時は、帰ったらすぐに「水切り」を行い、花瓶に飾るようにすると良いでしょう。
毎日水を替えて、できれば水切りも
水の中に雑菌が繁殖してしまうと、お花に悪影響を与え、枯れる原因になってしまうため、特に夏場は花瓶の水は毎日替えることが大切です。
また、水が多すぎると茎が長時間水に浸かり腐りやすくなります。水は、茎が少し浸かる程度に保つようにしましょう。
可能であれば毎日水を替えるのと同時に「水切り」を行うとより長持ちするのですが、忙しい時などは無理せずに水替えだけでも行うようにしましょう。
また、花瓶にぬめりや汚れを感じた時は、細菌の発生が始まっているサインなので、キレイに洗い、清潔に保つと◎。特に葉の部分が水面に触れていると、雑菌が繁殖しやすくなるため、葉を水面より上に保つようにするのもポイントです。
切り花は生き物ですから、毎日の気温や湿度、水の状態で状態が変化します。
ただ飾るのではなく、毎日水を替えながら、どんな調子か確認してあげると良いでしょう。
切り花用の延命剤なども市販されているので、より長持ちさせたいと考える方は、そのようなアイテムを取り入れるのも一つのポイントです。
ただし、延命剤を入れすぎると逆効果になることもあるため、使用する際は、適切な量を守ることが大切です。
お花は生き物ですから、丁寧なサポートを行えば、必ず応えてくれますよ。
より長く愛でるためにも、ぜひ一手間の「水切り」を取り入れてみてくださいね。