COLUMN お花の読み物

2023/9/11

ドライフラワーの魅力 | 作り方や飾り方について


ドライフラワーは、生花とは違った風合いと独特の美しさで、季節を問わず楽しめるインテリアアイテムとして人気を集めています。
自然の色合いや繊細な形を長期間保ち、花束やアレンジメント、贈り物などさまざまな用途で活用できます。生花を長期間楽しむことができ、また自分で作る楽しさや飾る楽しさもあります。
この記事では、ドライフラワーを初めて取り入れる方に向けて、ドライフラワーの魅力や基本的な作り方や飾り方、長く美しく保つためのお手入れのポイントを詳しくご紹介します。
自分だけのドライフラワーで、日々の暮らしを彩りましょう。

 
 

ドライフラワーの魅力

ドライフラワーは、新鮮な花や植物を乾燥させて美しさを長く楽しめるようにしたものです。その自然な風合いと独特の質感が魅力で、インテリアや贈り物として多くの人々に愛されています。生花が持つ鮮やかさとはまた違う、落ち着いた色合いや繊細な形状は、時間を超えて楽しむことができる特別な魅力があります。
 
ドライフラワーの最大の特徴は、長期間楽しめるという耐久性です。新鮮な花が短い間でしおれてしまうのに対し、ドライフラワーはその形と色を比較的長く保つことができます。これにより、季節や気候を気にせず、一年中好きな花を楽しむことができます。例えば、ラベンダーやユーカリのような香りのある植物は、見た目だけでなく香りも長持ちし、空間に癒しを与えてくれます。

 

手入れも簡単で長く楽しめるため、忙しい現代のライフスタイルにもぴったりです。生花を飾るには頻繁な水やりや交換が必要ですが、ドライフラワーはその手間がほとんどありません。
さらに、花が枯れてしまう前に乾燥させて使用するため、無駄を減らすことができます。再利用可能で、長い期間にわたって美しさを保つため、環境への負担が少ない点も魅力の一つです。
 
また、バラやヒドランジア(アジサイ)、プレッシドフラワー(押し花)など、さまざまな種類の花をドライフラワーとして活用できます。それぞれの花が持つ個性を活かして、季節感やテーマに合わせたアレンジメントを楽しめるのも大きな魅力です。異なる花材を組み合わせれば、オリジナリティあふれるアレンジメントを作ることもできます。
ドライフラワーは、手間をかけた分だけ完成品への愛着も増すもの。自分で作る楽しみを味わいながら、その魅力を存分に堪能してみてはいかがでしょうか?

 

 

ドライフラワーの作り方

ドライフラワーを作る方法は、いくつかの方法がありますが、最もポピュラーなものから、少し手間がかかるものまで幅広くあります。
どの方法も自宅で簡単に実践でき、作成後は長期間その美しさを楽しむことができます。

 

● 用意するもの

まずは、ドライフラワーを作るために必要なものを確認しておきましょう。

生花 : ドライフラワーに適した花を選びます。ラベンダーやバラ、ユーカリなどは乾燥に向いており、初心者にもおすすめです。
ハサミ : 花を切るための鋭いハサミを用意します。
ひもや針金 : 花を逆さに吊るすために使います。
風通しの良い場所 : 乾燥には風通しの良い場所が必要です。
シリカゲル : より色鮮やかなドライフラワーを作りたい場合に使用します。
押し花用の道具 : 押し花を作るためには重しと新聞紙や厚紙が必要です。

 

方法①自然乾燥法

自然乾燥法は、最も簡単で手軽な方法です。乾燥中に自然な風合いが出て、ドライフラワーの美しい質感が保たれます。

 

基本的な作り方のステップ

①花を選ぶ
ドライフラワーに適した花を選びます。例えば、ラベンダー、バラ、ユーカリ、ヒマワリなどがよく使われます。花が新鮮で、茎がしっかりとしたものを選びましょう。

②茎をカット
花の茎を約20~30cm程度残してカットします。あまり長すぎると吊るす場所に困るので、適切な長さにカットしましょう。

③束ねる
複数の花をまとめて束ねます。茎の部分をひもやゴムでしっかりと縛ります。この時、束の大きさが均等になるように調整しましょう。

④吊るす場所を選ぶ
風通しが良く、直射日光を避けられる場所を選びます。直射日光が当たると花が色褪せてしまうため、明るい日陰を選ぶのがポイントです。

⑤吊るす
花束を逆さにして、茎の部分をひもや釘で吊るします。花の間に風が通るように、束が密にならないように注意しましょう。

⑥乾燥を待つ
約1~2週間でドライフラワーが完成します。乾燥の進み具合を確認しながら、湿気がこもらないように定期的にチェックしましょう。

 

方法②シリカゲル法

シリカゲル法は、花の色を鮮やかに保ちながら乾燥させる方法です。特に色が大切な花に向いています。

 

基本的な作り方のステップ

①花を選ぶ
色鮮やかな花や繊細な花におすすめです。バラやチューリップなど、形がしっかりした花がきれいに乾燥します。

②シリカゲルを準備する
シリカゲルは乾燥材の一種で、花を包み込んで水分を吸収します。シリカゲルはホームセンターやネットショップで購入できます。

③シリカゲルの容器を用意
複数の花をまとめて束ねます。茎の部分をひもやゴムでしっかりと縛ります。この時、束の大きさが均等になるように調整しましょう。

④シリカゲルを敷く
容器の底にシリカゲルを2~3cmの厚さで敷きます。

⑤花を配置する
花をシリカゲルの上にそっと置きます。花が崩れないように気をつけながら、花の周りにシリカゲルを少しずつ入れていきます。

⑥シリカゲルで覆う
花全体がシリカゲルで覆われるように、丁寧にシリカゲルを重ねます。花が完全に埋まるように、優しく調整します。

⑦密閉する
容器のふたをしっかり閉じて、密閉状態にします。密封することで乾燥を効率的に行えます。

⑧乾燥を待つ
約1週間程度で乾燥が完了します。乾燥具合を確認し、花がカリッとした感じになったら完成です。

 

方法③押し花法

押し花法は、花を平らに乾燥させたい場合に最適です。平面的なドライフラワーが作れるため、カードや額縁に入れて飾るのに向いています。

 

基本的な作り方のステップ

①花を選ぶ
小さめの花や葉っぱが押し花には向いています。平らに乾燥しやすいものを選びましょう。

②花を切る
花をきれいに切り、茎を短くして花の形がきれいに見えるように調整します。

③新聞紙や厚紙を準備する
新聞紙や厚紙を数枚重ねて、花を挟むための「花挟み」を作ります。

④花を並べる
花を新聞紙や厚紙に並べます。花が重ならないように、間隔を空けて配置しましょう。

⑤重しを乗せる
花の上に重し(本やレンガなど)を乗せて、圧力をかけます。これにより花が平らに乾燥します。

⑥乾燥を待つ
約3日~1週間程度で乾燥します。途中で花の状態を確認し、湿気がこもらないように注意しましょう。

⑦乾燥後の取り出し
完全に乾燥したら、花を慎重に取り出し、必要に応じて額縁に入れるなどして飾ります。

 
 
 

作り方のコツと注意点

● 湿気に注意

湿気はドライフラワー作りの最大の敵です。花が乾燥しきれないと、カビや腐敗の原因となり、完成度が大きく損なわれます。
湿度の高い梅雨時期や雨が続く季節は避けましょう。晴れた日が続く時期が理想的です。また、室内で作業する場合は除湿機やエアコンを使って湿度を下げるのが効果的です。
特にシリカゲルを使う方法では、湿気の影響を受けにくくなります。自然乾燥の場合でも、周囲に乾燥剤を置くと効果があります。

 

● 選ぶ花による違い

花の種類によって乾燥のしやすさや仕上がりの質が異なります。一部の花は乾燥が難しく、色が変わったり、形が崩れたりすることがあります。
成功しやすいお花はラベンダーやバラやユーカリで、香りが残りやすく、乾燥後も鮮やかな色を保つことができます。
反対に青や白の花(例: 青いアジサイ、カスミソウ)はドライフラワーにすることが難しく、乾燥中に色褪せしやすいです。色を保つために、シリカゲル法を使うのがおすすめです。また、食品用の色素を使った色補正も行うことがあります。
花びらが薄いもの(例: チューリップやパンジー)は押し花法が適しています。自然乾燥では形が崩れやすいので注意しましょう。

 

● 水につけてからドライフラワーにする

ドライフラワーを作る際、最初に水につけておくことで、花が乾燥しやすくなり、色や形を保ちやすくなることがあります。特に、乾燥に時間がかかる花や茎が硬い植物などは、水にしっかりと浸してから乾燥させると、より美しい仕上がりになります。この方法は、花がしっかりと水分を吸い取った後に乾燥が始まるため、パサつきが少なく、色の鮮やかさも長持ちするのが特徴です。

 

● 乾燥中の環境

乾燥中の環境が花の仕上がりに大きく影響します。適切な環境を選ぶことで、色褪せや形崩れを防ぐことができます。
直射日光が当たると、花の色が退色しやすくなります。特に赤や紫などの濃い色は、日光の影響を受けやすいので注意が必要です。明るい日陰や暗い場所が最適です。
また、花の周囲に空気が流れることで、水分が効率的に蒸発し、湿気がこもりにくくなり、乾燥ムラやカビを防げます。例えば、窓辺や通気口の近くなどが理想的です。
常に花の状態を確認してあげることも大切です。特に湿気が多い日は、花がベタつくことがあるので、早めに対策をしておきましょう。また、吊るした花束の位置を少しずつ変えることで、風通しを均一に保つことができます。

 

● 埃の除去

乾燥中や完成後のドライフラワーには埃が付きやすいです。埃をそのままにしておくと見栄えが悪くなるだけでなく、花の劣化を早めることもあります。
ドライフラワーを飾る前に、柔らかいブラシやエアダスターを使って表面に付いた埃を優しく取り除きましょう。花びらや葉っぱが壊れやすいので、力を入れすぎないことが大切です。
飾る際の工夫では、ドライフラワーをケースに入れることで、埃の付着を防げます。特にガラスやアクリルケースは見栄えも良く、保護にも役立ちます。

 

● 費用について

ドライフラワーのアレンジや加工方法によっては、費用が高くなることもあります。押し花や立体加工を施すと、手間と時間がかかるため、比較的高額になる場合が多いです。予算や目的に応じて、どの方法を選ぶかを考えるのがポイントです。

 
 
 

ドライフラワーの飾り方

ドライフラワーが完成したら、次はその飾り方です。ドライフラワーをどう飾るかで、お部屋の雰囲気が大きく変わります。シンプルに飾る方法から、少し工夫を加えて個性的なアレンジを作る方法まで、さまざまなアイデアをご紹介します。

 

インテリアとして

● 花瓶にそのまま飾る

最もシンプルで手軽な方法は、ドライフラワーをそのまま花瓶に入れて飾ることです。高さのある花瓶を使うと、長い花でも美しく飾れます。また、花瓶のデザインにもこだわることで、よりおしゃれなインテリアに仕上がります。

 

● 壁に吊るして飾る

ドライフラワーはそのまま壁に吊るして飾ることで、ナチュラルな雰囲気を演出できます。ひもやレースを使って束ね、ドアノブや壁のフックに掛けると、簡単におしゃれな飾りが完成します。

 

● リースやガーランドとしてまとめる

ドライフラワーをリースやガーランドにして飾ることで、より華やかな装飾ができます。小さな花束を作り、それを集めてリースにしたり、ガーランドとしてつなげて飾ったりする方法は、特に季節感を出すのにぴったりです。

 

特別なシーンでも

● ギフトとして

ドライフラワーはギフトにも最適です。例えば、特別な日にはドライフラワーを使ったブーケを作り、リボンで飾りつけてプレゼントできます。贈る人の好みに合わせた花を選ぶことで、より個性的なギフトになります。

 

● イベント装飾

結婚式やパーティーの装飾にもドライフラワーは大活躍です。テーブルセンターに置いたり、招待状に添えたりすることで、ナチュラルで温かみのある雰囲気を演出できます。

 
 

まとめ

ドライフラワーは、ただ花を乾燥させるだけでなく、その過程や飾り方に工夫を凝らすことで、日常の中で特別な存在になります。手軽に作ることができ、また自分の好みに合わせて飾り方もアレンジできるため、ぜひ挑戦してみてください。ドライフラワーの作成と飾り方を楽しみながら、自分だけの美しい空間を作り出しましょう。